やりたいことを早めに見つけておくほうがいい

FIREにチャレンジしている人はまじめな人が多い印象があります。一直線に目標をかなえようと努力しています。年収600万円を若いうちに上回り稼いでいる人、家計の25%以上を節約して貯蓄する人は、真剣そのものです。趣味に時間を振り向けるヒマなんかない、という感じもあるでしょう。

しかし、FIREの夢をかなえて確実にやってくるのはありあまる自由時間です。FIREを目指すと同時に、「自分がやりたいことは何か」考える時間も少しつくっておきたいところです。

標準的リタイアをする会社員向けに、会社がリタイアメントプランセミナーを開催することがあります。私も講師に呼ばれることがありますが、趣味や生きがい(とお金)の話をすると多くの50歳代の会社員は困った表情を浮かべます。10万時間も夢中になれることがあるか、想像がつかないからです。

趣味はリタイアしてから探してもかまいませんが、早く見つけておくに越したことはありません。スポーツか、歴史などの学術的な趣味か、絵画や陶芸のようなアートか、考えてみましょう。

ちなみに、「終わりがある趣味」は「ロス」を生み出しますので注意しましょう。お遍路さんとか旧東海道を歩いて京都に行くとか、「最終回」があるものは終わればやることがなくなります。ペットロスがつらいことは誰でも知っていることです。

長い時間を通じて、続けられる趣味、少しずつ極めていける趣味があれば理想的です。

【図表1】FIRE実行後の趣味や生きがいを見つけておこう
出典=『普通の会社員でもできる 日本版FIRE超入門』より