値下げしても需要拡大はできない

<strong>成城石井社長 大久保恒夫</strong>●早稲田大学卒。イトーヨーカ堂を経て、ファーストリテイリング等のコンサルティングを手がける。2007年より現職。
成城石井社長 大久保恒夫●早稲田大学卒。イトーヨーカ堂を経て、ファーストリテイリング等のコンサルティングを手がける。2007年より現職。

私の経験上、ディスカウントをして売り上げが伸びたことはない。価格を下げると確かに一時的には売り上げが上がる。たとえば1リットルの醤油を198円から158円に値下げすると、その直後はよく売れる。しかし数量はそのうち元に戻り、売り上げは下がっていく。要は将来の売り上げを先食いしただけで、ディスカウントで需要拡大はできないのだ。

そもそも小売業の価格はチラシで丸見えになっており、値下げをしてもすぐに他社が追随してくる。安売り合戦になると、体力のない店に勝ち目はない。