「朝食前30分の散歩」で人は幸せを感じられる
続いて、4位以下から、注目の書籍をご紹介します。第5位は『精神科医が見つけた3つの幸福』でした。
「あなたにとって、幸せとはなんですか?」――この問いに対する答えは、人それぞれ異なるでしょう。しかし幸せの正体は誰もが同じ。幸福を感じているとき、私たちは、セロトニン、オキシトシン、ドーパミンという3つの脳内物質を分泌しているのです。
本書の著者は、『学びを結果に変える アウトプット大全』や『ブレイン メンタル 強化大全』などといったベストセラーを世に輩出してきた、精神科医の樺沢紫苑さん。本書では、「幸せ」とはどういう状態なのか、科学的に解き明かすとともに、幸福になるための具体的かつ実践的な行動が示されます。
例えば、セロトニンを分泌させるには「朝日を浴びる」「リズム運動」「咀嚼」の3つが確実です。これら3つを組み合わせた最高の習慣が、朝食の前の「朝散歩」。起床後1時間以内に15分から30分程度行うのがベストで、その後によくかんで朝食を取れば、「朝日を浴びる」「リズム運動」「咀嚼」の3つをクリアできます。
本書で紹介される「幸せになるための行動」は、どれも説得力があり、今日から実践できるものばかり。自分と大切な人たちをもっと幸せにするために、ぜひお試しいただければと思います。
「良い習慣」は「小さな習慣」から
第9位の『習慣超大全』にもご注目ください。
良い習慣を身につけるためには、どんな行動が効果的でしょうか。古今東西、さまざまなメソッドが提唱されていますが、本書の著者が提案するのは「タイニー・ハビット(小さな習慣)」です。
タイニー・ハビットとは、その名の通り、すぐにできる簡単な習慣を積み重ねること。習慣化したい行動を小さく分解して日課に組み込むことで、継続できるようにするものです。著者が実践している「トイレに行った後に2回腕立て伏せをする」が、そのよい例でしょう。
このメソッドのポイントは、既にある日課を「アンカー」として、その後に新しい行動をすること。「トイレに行った後に2回腕立て伏せをする」なら、「トイレに行く」がアンカーとなります。
あなたの場合、どんなアンカーの後に、どんな行動をとればいいでしょうか? 「2回腕立て伏せをする」のような、高頻度に行いたい行動があるなら、「トイレに行く」のように同じく高頻度のアンカーを見つけてみましょう。
キッチンテーブルを拭く習慣をつけたいなら、同じ場所でする「拭いた皿をしまう」がアンカーになるかもしれません。「タスク管理のアプリを開く」という習慣をつけるために、同じく「生産性を高める」ことを目的とした「コーヒーを飲む」をアンカーとするのもいいでしょう。
千里の道も一歩から。小さな習慣も、地道に継続すればあなたの人生を変えてくれるかもしれません。