男女でこれほどまでに違う脱毛基準
話が飛び過ぎかと思われるかもしれませんが、「女性がツルツルの肌であること」や「毛がないこと」ばかりに目が行くようでは、男女平等はなかなか達成できないのではないかと思います。
「毛」にまつわる美意識について、日本では男性と女性とで基準に差があり過ぎると思うのです。
女性のワキについては「毛がないツルツルの状態」を「常識」だとしているのに、男性のワキ毛の処理はあくまでも「オプション」。だから5年前のリオデジャネイロオリンピックで金メダルを獲得した体操の内村航平選手が競技後に両手を挙げてポーズをとった際にワキ毛が全開になっても、そのことに違和感をもつ日本人はあまりいませんでした。
ワキ毛を生やしている内村選手にはもちろん何の否もありません。それでも筆者は「女性がワキ毛を生やしたままガッツポーズをしたら、あれこれ言われるのに……」となんだか悔しくなってしまいました。
ドイツを含むヨーロッパのスポーツ界では男女ともにワキの毛もアンダーヘアも処理している人が近年多いそうです。そのため内村選手の「ワキ毛」は当時むしろ欧米人の間で話題になりました。
でも前述どおり、一般人のワキ毛に関しては、感覚がゆるいためドイツでは「ワキ毛があってもマナー違反ではない」のです。日本ではなぜこうも有名人・一般人にかかわらず「女性の毛」に対して、あんなにも厳しいのでしょうか。
「ツルツルにこだわるの、もうやめませんか」
女性が「毛のないツルツルの肌」を目指してせっせと脱毛サロンに通うのは、女性の生きにくさの象徴でもあるように感じます。ニッポンの女性が全員ツルツルになることに、なぜこれほど「こだわる」必要があるのだろう……と思ってしまいます。
相手はたかが「毛」なのですから、脱毛してもよし、しなくてもよし、ぐらいの雰囲気でよいと思うのですが、これは期待しすぎなのでしょうか。