国産ジェットの開発をどう再構築していくか
日本がもたつく間に、ロシアはスホイ・スーパージェット、中国はCOMAC・ARJ21でリージョナルジェットの量産に成功している。
三菱重工はM-90に代わり、座席数65~88席の「M-100」の開発を検討している。三菱航空機は引き続き型式認証の作業を進めるとしているが、リストラで設計作業のペースがスローダウンするのにもかかわらず、国交省がこれまでと同じ規模でスタッフを抱え続けることは難しい。三菱重工も脱炭素の流れの中で、主力の火力発電所向けのタービンの受注も見込みづらく、稼ぎ頭不在のなかでスペースジェットの開発費を捻出するのも厳しくなっている。
半導体や液晶など、経済産業省が主導する形で再編してきたが、今や半導体ではルネサスエレクトロニクスが、液晶もジャパンディスプレイがほそぼそと事業を続けている。東芝も株主の投資家からの突き上げをかわすために経産省に頼るなど、「もたれあい」の構図が露呈した。
国産ジェットの開発をどう再構築していくか、官民ともに抜本的に見直す必要がある。