理由は、安易にチーとかポンとか鳴いて手牌てはいをそろえていくと、簡単な役をつくることはそれなりにできるようになるのですが、そういった安易な手ばかりを狙っていると麻雀は上達しないと思ったからなのですね。

でも、教えてあげていた人が鳴いたので、「なぜ鳴いたの?」と問い詰めたら、リアルに泣いてしまったのです。

きちんと説明もしてもらえずに「これをやれ」と言われて、詰められたりすれば、泣きたくもなりますよね。

ボキャブラリーを減らせばわかりやすくなる

そんな僕がテレビの番組に呼ばれて、最近では「ひろゆきの説明はわかりやすい」と言ってもらえることさえあるわけですが、それは単にボキャブラリーが減ったからだと思います。

僕は今、フランスに住んでいて、仕事上、英語を使ったりもしますから、英語とフランス語を覚えないとならなくて、日本語のボキャブラリーがだんだん減ってしまっています。結果、僕が今使っている言葉というのは、小・中学生くらいまでのボキャブラリーで組み立てられています。

パリのレストランのテラス席
写真=iStock.com/Wenbin
※写真はイメージです

それでなんとか意思を伝えようとしていたら、自然とわかりやすい説明になってきた、という感じなのです。

実は、外国語も同じです。英語ネイティブの人は、おそらく2万語くらいの英単語を使いこなしますが、僕はおそらく5000語くらい。中学生の授業で覚えるような単語を組み合わせてなんとか意思を7割伝える、みたいな喋り方です。フランス語も同様です。

自分の思ったことが100パーセント伝わるなんて思っていないし、そもそも100パーセント伝えようとも思っていません。

自分が知っている単語をなんとか組み合わせてある程度伝えようとした結果、わかりやすい説明になるということが、逆説的に起きたわけです。

思考がまとまらない、まわりの人に上手に説明できないという人は、難しい言葉を使いすぎていないかどうか、立ち止まって考えてみるといいです。

日本語の会話なのに、「アサイン」だとか「コミットメント」だとか、やたらと横文字を使いたがる人は多くいますけど、あまりアタマがよくない人ほど、よくわからない熟語や単語を使いがちだと思います。