優秀な人の説明は長くなりがち
優秀な専門家の先生にありがちなのが、学術的な正しさを追求しすぎたせいで説明が長くなりすぎてしまうパターンです。これだと聞いている側の理解が追いつかず、結果、置いてけぼりの状態になってしまう。きちんとした先生ほどちゃんと説明しようとするので、そうなりがちです。
以前、専門家の先生とテレビ番組で共演する機会がありまして、「性格というのは遺伝によってどれくらい影響を受けるのか」と僕が質問したことがありました。
その際に、「それって、ある程度遺伝で決まるって言っちゃっていいんでしょうか?」と聞いたところ、先生曰く、「僕の教え子が『決まる』とテストの答案に書いたら、バツをつけます」と言うのです。
理由は、「決まる」というと、日本語としてはだいたい100パーセントくらい確定しているという話になってしまうからです。
厳密さを追求するほど説明は長くなる
遺伝というのは、「傾向としてある」というだけのことなので、それで「決まる」とは言えない。なので、おおよそ80パーセントくらい遺伝する傾向があるということなのですが、それはあくまで「傾向がある」というだけで「決まる」ではありません。当然のことながら、こうやって厳密さを追求しようとすればするほど、説明がどんどん長くなっていきます。
その専門家の先生は立派な方でしたし、大学で生物学をやるような人であれば当然わかる話なんでしょうけど、そうではない一般の人がそういう込み入った説明を理解できるかというと、ちょっと難しい気がしているのです。
優秀な人が、必ずしもわかりやすく説明できるわけではない。むしろ、優秀だからこそわかりにくい説明になってしまうということもあるのですね。
僕は説明がめちゃくちゃ下手だった
ちなみに僕は、もともと説明がめちゃくちゃ下手でした。あまりに下手すぎて、相手を泣かしてしまったことさえあります。
昔、「麻雀を覚えたい」という人に麻雀を教えてあげたときのこと。
僕は「麻雀がうまくなりたいのであれば、チーとかポンとか鳴くことをやってはいけません」と言いました。