効果的な練習「家族を褒めてください」

たまに「家族のことを褒めてあげてください」とカウンセリングの中で伝えると「家族には褒めるところがありません」という答えが返ってきます。

大嶋信頼『チクチク・いやみ・理不尽と感じる「ほんのひと言」に傷つかなくなる本』(大和書房)
大嶋信頼『チクチク・いやみ・理不尽と感じる「ほんのひと言」に傷つかなくなる本』(大和書房)

それは論理的、分析的な思考である左脳がバリバリに働いているせいです。

「私は家族のことをよく知っている」という自負があるから「想像力」が働かなくなってしまいます。

そんな時は「もし、家族が赤の他人であったらどんなふうに褒められますか?」とイメージを使って右脳を刺激して、想像力を働かせてもらうと、「あ! 家族のことを大切に思っています」「気遣いをしてくれています」「コミュニケーションを取る努力をしています」「節約に協力してくれています」などとたくさん褒めるところが出てくるのは右脳が活発に動くようになったから。

そして、右脳が活発に動くようになると精神的な引きこもり状態から解放されて脳のノイズが減るので嫌なことや理不尽なことが起きても頭が真っ白にならなくなります。

どんな場面でも楽しく動くことができてしまう。脳内のノイズが減って、さらにどんどん頭が働くようになるから「自分の思い通りに人生が進む?」と嬉しくなるんです。

「会いたくもない相手」でも褒める

「会うと頭が真っ白になる相手」がいます。

会う前から「嫌だな?」とか「気が重いな?」となっているのは、脳内でノイズが大量に発生しているからです。

「会うと頭が真っ白になる相手」が「あれもダメ、これもダメ」という論理的な思考や「あんなふうに考えているんじゃないか、こんなふうに思っているんじゃないか」という分析的な思考を刺激するから、あなたも左脳が活発に働いてしまう。

そして、精神的な引きこもり状態になって脳内にノイズが増えてしまう。

脳内のノイズが増えてしまうことで頭が真っ白になって、思い通りに行動できなくなります。

そして、相手の前で悔しい思いをしたり、相手に対する怒りが発生することでさらに左脳が刺激されて、ますます脳内のノイズが増えてしまうんです。

こんな「会うと頭が真っ白になる相手」も褒めてしまうことで、「右脳が活発になった」と脳内のノイズが減って頭がクリアに働くようになります。

「頭が真っ白になる相手だから、褒め言葉なんて思いつかない!」と考えるのは当たり前です。

「こんなところを褒めてやろう」と、褒め言葉を用意して「会うと頭が真っ白になる相手」のところへ行っても、面と向かったら「頭が真っ白になる」となって褒め言葉がまともに出てこなくなってしまいます。

なぜなら、「事前に褒め言葉を用意する」というのは「相手を褒めたらこうなる」という左脳の分析力を使っているので、脳内のノイズが減らず、目の前にすると頭が真っ白になり、相手を褒められなくなってしまうんです。