「客寄せガールズ」のターゲットは誰か

ここで少し整理すると、よく見かけるガールズバーの女の子の多くは、①「携帯を見ながら、やる気がない」、②「可愛いような、可愛くないような子」、③「長期戦(ポケットティッシュ配りのように)」が当てはまりそうだ。ここまでは誰が見てもすぐにわかる、外見や様子の話だ。

次に、ガールズバー経営のビジネス構造という「見えない部分」を考察していく。ガールズバーの経営者が、どういう「狙い」があって、彼女たちを立たせているのか、その理由や意図を考えていくということだ。まずは、集客施策としてどういう目的があるのかに目を向ける必要があるだろう。

④「新規顧客狙い」「リピート客狙い」

が、まず気になる。あの「客寄せガールズ」のターゲットは、新規顧客か、はたまた、一度ご来店頂いたことのあるリピーターなのか? そして、実際にお店のメンバーの中から誰を立たせるか? を選ばなければならない(バーなので、店内で接客するメンバーとは別の稼働を確保しておく必要がある、ということだ)。

⑤「常時いるお店の子」「客寄せパンダ的な一時的な子」

の分岐も存在するので、計5つの二項対立があぶり出された。二項対立を使うだけで、「駅前に立っているガールズバーの子」から、色々なことがわかってきた。

プランAとプランB
写真=iStock.com/Andrii Zastrozhnov
※写真はイメージです

やる気がない店員はリピーターを狙っている

少し長くなってしまったので、整理しておこう(ついてきてくれてありがとう)。

①「携帯を見ながら、やる気がない」VS「勧誘しようと、元気よく」
②「可愛いような、可愛くないような子」VS「めっちゃ、可愛い子」
③「長期戦(ポケットティッシュ配りのように)」VS「短期決戦(ぱっと)」
④「新規顧客狙い」VS「リピート客狙い」
⑤「常時いるお店の子」VS「客寄せパンダ的な一時的な子」

①〜③は前者が概ね該当すると考えられるが、④⑤はどちらか、まだわからない。ここで、二項対立が本領を発揮する。未確定な情報があっても、ガールズバーオーナーの狙いがわかるのだ! 全部を「辻褄合わせ」にいく。まず④だが、このオーナーの集客対象は「リピート客狙い」であると考えられる。

なぜなら、来たことがあるお客さんが見つけてくれればいいから、①「携帯を見ながら、やる気がなく」てもいい。立っているだけで十分だから、やる気がなくてもいいのだ。であれば、⑤「常時いるお店の子」でなければ意味をなさない。

なにせリピート客狙いなので、たまにしかお店にいない女の子を立たせても、お客さんはその存在に気づかないからだ。リピート客がターゲットだとすれば、外見よりも「前にお店にいた子」というのが大事になってくるから、②「可愛いような、可愛くないような子」でもよい。

集客だけのために、あえてコストをかけて「めっちゃ、可愛い子」を用意するビジネスロジックは成り立たない。そして、リピート客に見つけてもらうのが目的なのだから、③「長期戦(ポケットティッシュ配りのように)」にするはずだ。

これで、おー、全部辻褄があった! となるわけだ。