アンガーマネジメントの第一人者、安藤俊介さんは「年齢的には若くても老害の萌芽が見え隠れする人がいる。“自己顕示欲が高い人”は要注意だ」と言います。「自己顕示欲」をセルフチェックする方法とは――。
※本稿は、安藤 俊介『怒れる老人 あなたにもある老害因子』(産業編集センター)の一部を再編集したものです。
あなたにもある「老害因子」
「老害」とは何ともきつい言葉です。自分が老害と呼ばれるようになるとは思いたくもありませんし、自分がそうなるとは若い頃は誰も思っていないでしょう。
私が若い頃は、上の世代を見ながら、「なんて頭の硬い人たちが多いのだろう。自分は絶対にこうにはならない」と思ったものでした。私はまだ高齢者ではありませんが、若い世代からすれば老害と呼ばれる年代にはなっていると思います。
果たして自分は老害と呼ばれるようになってしまっているのか、はたまたまだそうはならずに済んでいるのか、いつも自分で確認しなければいけないと自分に言い聞かせているところです。
さて、ではどのような人が老害と呼ばれる人物になるのでしょうか。老害になる人が本来穏やかな人であるとは思えません。何らかの怒りの問題を抱えているからこそ、その怒りを老害になるように発露させていると考えられます。
若くても老害の萌芽が…
1つ前の記事で、高齢者が怒りっぽくなる個人的な理由のキーワードとして「執着」「孤独感」「自己顕示欲」の3つを挙げました。今回はこのキーワードのうちの「自己顕示欲」をもう少し深く見ていくことにしましょう。ここではセルフチェックという方法を取っていきます。今はまだ年齢的に老害になり得ない人でも、すでにその萌芽が現れている可能性があります。老害が発生するメカニズムを来るべき自分のこととして理解することは、困った高齢者の内実をより正確に把握するとともに、自分自身を予測するきっかけにもなります。