どこまで発展するかは未知数
中国の報道などを見ても「今後、海南島に住めば海外への渡航が香港と同じく自由になり、便利になる可能性が大きい」、「海南島に第2、第3の不動産を持つ人が増える」などといわれており、中国人のSNSを見ても「これからは香港に行かないで、海南島でブランド品をたくさん買える」といった声が大きい。現に、ショッピングのついでに不動産見学ツアーなども多数行われているようだ。
ただし、海南島が本当に「第2の香港」になれるかどうかは、極めて未知数だ。香港は前述したような自由貿易港としての歴史が長く、国際金融センターとしての機能や西側諸国からの信頼もある。製造業にとっては、後背地に広東省を抱えているという地理的な条件もいい。英語が通じるなどの社会的な条件も整っている。
一方で、海南島はもともと地元に住む人々や少数民族などが中心で、観光産業以外に目立った産業がなく、優秀な人材もすべて外部から持ってこなければならない。
そのため、海南島が、かつての香港と同じような「輝ける存在」になれるかどうかは、あと数年経ってみなければ分からないが、少なくとも中国政府はそうした方向に向けてすでに動き出している。