お金持ちには3つのタイプがある
夫婦のお小遣いの額をどうするか――。難しい問題ですが、お金持ちと普通の人では明らかに考え方が違います。
実は、お金持ちの家庭では、家計簿がなくお小遣い額を決めていないケースも少なくありません。お金持ちには、家計を節約してコツコツお金を貯めた「節約家タイプ」、投資で資産を増やした「投資家タイプ」、キャリアアップで稼いだ「高収入タイプ」の3つのタイプがあります。このうち、「節約家タイプ」は、お小遣いの額を決めていますが、それ以外のお金持ちはあまり決めていないのです。
お金持ちにもさまざまなレベルがありますが1億円は一つの目安です。1億円あれば、お金の心配をせずに好きなことに取り組めます。また、純金融資産1億円以上5億円は124.0万世帯、5000万円以上1億円未満は341.8万世帯(野村総研)に達しています。1億円前後の資産を持つお金持ちは数が多く意外に身近な存在。努力次第では誰でも達成できます。
お金持ちのお小遣いはなぜ月3万円なのか
お小遣いの額を決めていないからといって、何も考えずにお金を使っているわけではありません。1カ月に使うのは3万程度が多く、所得が高い人でも5万円程度に収まっています。
先日、家計診断に来たご夫婦は30代で5000万円を超える資産を築いていましたが、ご主人のお小遣いは月3万円でした。私が「この金額で足りますか?」と聞くと、ご主人は「お金がかかるような趣味はありませんし、子どもが趣味だからお小遣いはそれほど必要ありません」と言うのです。3万円のお小遣いでも余っているそうです。収入が上がるほど生活レベルが上がっていくものですが、資産形成できている人の多くは収入が上がっても生活レベルはあまり変わっていません。最近はとくに若い世代にそういう人が増えています。
ちなみに一般的なお小遣いの平均金額を見ると、男性が約3万2000円、女性が約2万1000円(明治安田生命「家計に関するアンケート調査」2021年)です。お小遣いの額では、普通の人もお金持ちも変わらないのです。なぜなら、お金持ちはどんなにお金を貯めても「自分たちは普通」だと思っています。だからこそ、無駄遣いはしません。