日頃の買い物行動を尊重する姿勢を見せることが重要
ご自身が主夫として家事を担っている、京都在住の家事ジャーナリストの山田亮さんは、わが家のスタンダードは、買い物を主に担っている人が強く意識しているだけで、他の家族はほとんど気にしていないと見る。
男か女かの問題は、もちろんない。主体的に買い物をしているかどうかの問題だ。
山田家では買い物を主にするのは、亮さん自身だ。ご家族は、山田さんが選んだものを黙って使っている。買い物をする側は、「黙って使っている=その商品を承認している」だと考える。もちろん、商品名なども頭に入っているものだと思い込んでいる。
しかし、実際には、パートナーやお子さんは、彼が日頃どんな商品をどういう基準で選んでいるかにほとんど関心を払っていないと亮さんは言う。「トイレットペーパーでも、妻は、自分がかわいいと思うものを買ってくる。そこに、僕が普段何を買ってきているか、それにあわせようなんていう発想はない」。
山田家の他のメンバーが、亮さんの買ってきたものを黙って使っているからといって、その商品を理解し、承認しているとは言えないのだ。もう少し言うと、「わが家の定番」を理解しているのは、実は、山田家では自分だけだと亮さんは明かす。「このあたりの情報共有が不十分な家庭は多い」と亮さんは指摘する。
ということは、普段買い物をしている妻以外のメンバーが「わが家の定番」を十分認識していないという事態は、それほど珍しいことではない。
しかし、絶対の正解をクリアすることを求める妻には、それが家事への意識の欠如、関心の低さ、ひいては自分の日頃の家事への評価の低さに見えてしまう可能性がある。したがって、もめないためには、写真などで確認し、彼女の日頃の買い物行動を尊重する姿勢を見せることが重要だ。