リートの新規上場直後を狙う23勝1敗の手法とは

株主優待以外にも過去5年ほどのデータを分析し、利益が得られるパターンを探すようになりました。感覚的には「いける」と思っても、過去のデータで検証すると意外にマイナスだったり、あるいは利益が安定していなかったりすることがあります。データを検証することで、損失を被る確率を抑えることができます。

データ検証を繰り返しながら見つけた投資手法を紹介しましょう。

たとえば、リート(上場不動産投資信託)のIPO(新規上場)で最初についた株価(初値)が公募価格よりも低かった場合、その日の終値で買って翌月の末に売るととても高い確率で利益が得られます。

2日目も下がったら終値で買い増しします。3日目も同様です。下がり続けている間は買っていき、翌月の末に売ると勝てる可能性が高いのです。私の過去の成績では23勝1敗くらいです。

2020年はコロナ禍の影響があってIPOはありませんでしたが、たとえば、2019年3月に「サンケイリアルエステート投資法人」が上場しました。公募価格は10万円でしたが上場日の初値は9万7000円でマイナス3%のスタートでした。

そして、初日の終値は10万7000円でした。翌日は上がりましたので終値で買うのは初日のみです。そして翌月(4月末)の株価は11万1500円でしたので、売却すれば4500円の利益が得られた計算です。1カ月で4.2%のリターンです。

年に1~2回はチャンスがある

これにはさまざまな理由が考えられます。リートは多くの物件に分散投資しているので、上場した途端に大きな悪材料が出ていきなり大きく下落するリスクは僅少です。また、上場すると年金基金や生命保険会社などの機関投資家が自社のファンドに組み入れるために購入するので株価が上がりやすい性質をもっています。ですから、公募割れした場合は、その後に上がりやすい傾向にあるのでしょう。

ただリートは頻繁に上場されるわけではありませんので、チャンスは多くありません。1年に一度か二度程度でしょう。最近はリートに似た仕組みを持つ「インフラファンド」がありますが、これは対象外です。あくまでも通常のリートのみです。