乱立するSNS、スポーツ選手はどう活用するべきか?
新年度がスタートして、新たにSNSを始めたという人もいるだろう。一方で、近年はさまざまなSNSが乱立しており、話題についていけない人もいる。
代表的なものだけでも、交流系SNSのFacebook(フェイスブック)やTwitter(ツイッター)、メッセージ系SNSのLINE(ライン)、写真系SNSのInstagram(インスタグラム)、動画系SNSのYouTube(ユーチューブ)がある。
さらに若い世代で人気を集めているショートムービーSNSのTikTok(ティックトック)。今年に入り音声SNSのClubhouse(クラブハウス)も脚光を浴びている。他にもさまざまなSNSサービスがあり、個人だけでなく、企業もPRに活用しているのはご存じの通りだ。
プロやアマに限らずスポーツ選手もSNSを使いファンと交流するケースが増えているが、思わぬリスクの落とし穴に苦しむことも少なくない。芸能人並に知名度が高いこともあるスポーツ選手はSNSをどう活用するといいのだろうか。
オープンイノベーションを実践しているダルビッシュ有
SNSを巧みに使いこなしている代表格といえば、メジャーリーガーのダルビッシュ有(パドレス)だろう。ツイッターのフォロワーは約255万人で、最近はユーチューブでの活動も注目されている(メインチャンネル登録者数52万人)。
メジャーリーグで最多といわれる11もの球種を投げ分け、昨シーズンは日本人初の最多勝を獲得し、サイ・ヤング賞のナショナルリーグ2位になったダルビッシュ。彼のあっぱれなところは「オープンイノベーション」を実践しているところだろう。
プロ野球選手は個人事業主である。よって、マル秘扱いの投球術などはなかなか他人や同業者に教えないものだが、それを惜しげもなく公開しているのだ。
今年2月にアップした〈伊藤智仁さんのスライダー試し投げしたらマジで使えるかもしれないブルペン解説動画ラプソードデータ付き〉と題した動画は188万回も視聴されている。
これまでの多くの球種を動画のなかで披露。ボールの握りや投げ方だけでなく、高性能カメラで解析されたデータ(球速、ボールの回転数、回転軸と方向、変化の大きさ、軌道など)も具体的な数値を明かしている。
昨シーズンの開幕直前に公表したストレートに近い球速で右方向へ曲がりながら落ちていく「スプリーム」というダルビッシュが編み出した“新球”に関しては、すべてをオープン。数カ月後には完全マスターした他球団の投手も現れた。現役メジャーリーガーもダルビッシュの動画で勉強しているのだ。