自殺の特効薬は「景気の良い状況」

自殺というのは、極めて個人的な問題である場合も多い。

心の問題や人間関係のこじれなどから自殺をする人に対して、他人が手を差し伸べるというのはかなり難しい。

一方で健康問題であれば、医療の発達で治ることもある。治らないにしてもQOLを高めるような方向性を示すことは可能だ。

さらに経済問題であれば、ちゃんとした社会保障さえあれば9割方は問題を解決できる。実際、20年に飲食店主の自殺者数が減ったというのはそういうことである。

だから、若い人たちの自殺に心を痛めている暇があるなら、行政に対して「若者や女性にちゃんとお金を出せ」と要求すれば良い。

布マスクを配っても不安はパッとは消えないが、漠然とした不安であれば、お金があればある程度は消える。

もらったお金を勉強のために使うのも良し、投資の資金にするのも良し、消え物に使って気晴らしするも良し。若い人がお金を使えば使うほど経済は回るのである。

自殺には「景気の良い状況」が特効薬である。

それは決して株価の数値や、いざなぎ超えのような国の景気の話ではない。

自分たちの生活の中にしっかりとお金が降りてきて、少なくとも金銭的な不安を持たなくても自分たちの生活が営める。また新しいことにチャレンジできる。そんな状態を確信させてくれる状況こそが「景気の良い状況」だ。

あー、もちろん若い人ばかりではなく、非正規労働にしか就けなかったり、正規でも安く買いたたかれてに苦しんでいる、僕たち就職氷河期世代も忘れないでほしい。

参考文献
労働力調査(基本集計) 2020年(令和2年)平均結果
自殺者数|警察庁Webサイト
令和2年中における自殺の状況 資料
令和元年中における自殺の状況 資料

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