「行動が伴っていないことへの怒りが選挙に表れた」

4月9日付の読売新聞の社説は「残り任期が約1年となった韓国の文在寅大統領にとって大きな打撃だ。レームダック(死に体)化が避けられない中、山積する課題で成果を上げるのは容易ではあるまい」と書き出し、ソウルと釜山での大敗の理由をこう分析する。

「文政権が『公正な社会の実現』を目標に掲げながら、行動が伴っていないことへの有権者の怒りが選挙結果に表れたと言えよう」

見出しも「韓国与党惨敗 不公正への怒りが噴出した」である。

文在寅という大統領は口だけの行動が伴わない人間なのである。徴用工と慰安の問題への対応を見ればはっきりと分かる。

文在寅大統領は今年1月18日の新年記者会見で、この2つの問題に触れ、これまでと異なる発言を行った。

徴用工問題については「日本企業の資産が現金化されるのは韓国と日本にとって好ましくいない」と語り、初めて現金化を避けたいとの考えを示した。慰安婦問題では「日韓合意を公式的なものだったと認める」と述べた。日韓合意とは2015年12月の「慰安婦問題について最終的かつ不可逆的に解決される」とした合意である。日韓の外相がソウルで共同発表した後、安倍晋三首相(当時)が朴槿恵(パク・クネ)大統領(当時)に電話を入れ、謝罪と反省の気持ちを伝えた。

あの新年の記者会見から3カ月が経過する。しかし、文在寅氏は何ひとつ行動を起こそうとはしない。日本との協力関係を強く求めるアメリカに対し、良い顔をして見せるだけなのである。

次期大統領には北朝鮮と中国の問題にきちんと対応できる人物を

読売社説は来年3月の大統領選の状況をこう推察する。

「国民生活の向上や格差是正、政治腐敗対策は、次期大統領選でも争点となるのは間違いない」
「与党側も野党側も、既存の政治家に抜きんでた候補は見当たらず、混戦模様となるのではないか」

韓国は、日本やアメリカと協力しながら北朝鮮の核・ミサイル開発や中国の武力進出の問題の解決に尽力していかなければならない。日本やアジア、そして世界の国々にとって文在寅氏が退いた後の大統領にはそうしたことのできる人物が望ましいのは言うまでもない。

読売社説は「求心力が低下する中で元徴用工(旧朝鮮半島出身労働者)や元慰安婦を巡る訴訟問題の解決に動くのは一層困難になろう」と指摘したうえで、最後にこう主張する。

「対日関係を悪化させたまま、放置することは無責任だ。残り任期中、関係修復の手立てを尽くさねばならない」

まったくその通りだ。文在寅氏は日本と韓国の関係を悪化させた。大統領の職を辞する前にその過ちを認めて日本に謝罪し、日本と韓国の関係を正常化してほしい。文在寅氏には日韓関係を元に戻す責任がある。