「自虐史観が拭えぬ教科書で歴史を学べない」と産経社説

新聞各紙は3月31日付の社説で一斉に取り上げ(毎日新聞は4月1日付)、それぞれのスタンスで評価したり、批判したりしている。見出しだけを見ても、「『従軍慰安婦』 削除必要だ」(産経社説)、「多様な視点 育む検定に」(朝日社説)、「主体的に学ぶ授業への転換を」(読売社説)、「探究支える体制づくりを」(毎日社説)と意見がわかれている。

北方四島の色丹島に建てられているロシアの木造教会。
写真=iStock.com/HomoCosmicos
北方四島の色丹島に建てられているロシアの木造教会。

このうち産経社説は書き出しから手厳しい。

「来春から使われる高校教科書の検定結果が公表された。新科目の『歴史総合』で戦後の造語である『従軍慰安婦』の文言が検定をパスするなど、相変わらず偏向した記述が目立つ」
「自虐史観が拭えぬ教科書で、視野広く歴史を学ぶ授業が進められるだろうか。憂慮する」

「従軍慰安婦」を戦後の造語と糾弾し、検定を通過したこと自体を批判し、日本の過去の行為を否定する「自虐史観」の存在を懸念する。実に産経社説らしい主張である。

「強制連行」をチェックするなら「従軍」もチェックすべき

産経社説は「高校の学習指導要領改訂に伴う初の検定で、教科書の内容が一新される。歴史総合は近現代中心に世界の流れの中で日本の歴史を学ぶ必修科目だが、多くの教科書が慰安婦問題を取り上げ、『従軍慰安婦』のほか、『慰安婦として従軍させられ-』との記述が検定を通った」と指摘した後、こう訴える。

「教科書検定では、日本軍や官憲が強制連行したとする誤った文言はチェックされるようになった。慰安婦に『従軍』を冠するのも根拠はなく誤解を生む記述だが、検定をすり抜けているのが実態だ。国際的な情報発信の上でも、教科書に不適切な記述が放置されぬよう是正が急がれる」

慰安婦問題において「強制連行」と「従軍」は同意語である。強制連行をチェックするなら、従軍という表現もチェックすべきだ。

さらに産経社説は指摘する。

「『従軍慰安婦』は、慰安婦募集の強制性を認めた平成5年の河野洋平官房長官談話でも使われ、9年度から使用の中学教科書に一斉に登場した経緯がある」
「これを機に日本をことさら悪く描く歴史教科書に批判が起き、一時は中学教科書から『従軍慰安婦』が消えるなど、記述の是正が進んだ。しかし、今春から使用される中学教科書で復活した。是正を阻む背景には中韓などに配慮する教科書検定の『近隣諸国条項』がいまだに残り、検定を縛っていることがある。河野談話とともに改めて見直しを求めたい」

日本が韓国や中国に配慮する姿勢がおかしいのである。日本が過度の配慮を行うから、韓中は批判の足がかりを得てしまうのだ。