⑤「施設サービスの対価」で戻ってくるお金
サラリーマンの場合、1年間にかかった医療費をまとめて確定申告すれば、「医療費控除」で払いすぎの税金が戻ってきます。
その際のポイントは、家族の医療費を合算して、最も所得税率が高い人が申告すること。薬局で買った治療薬だけでなく、温泉やジムの費用も、一定の条件をクリアすれば対象になります。
けれど、意外と知られていないのは、「親の介護費用」も、実は医療費控除の対象になるということです。
医療費控除の対象となるものに、「施設サービスの対価」と「居宅(在宅)サービス等の対価」があります。
高齢の親を、介護施設に預けている方も多いことでしょう。実は、居住費や食費、介護保険サービス費が、医療費控除の対象となる施設があります。
対象となるのは、特別養護老人ホーム(指定介護老人福祉施設)、指定地域密着型介護老人福祉施設、介護老人保健施設、指定介護療養型医療施設など。
特別養護老人ホームや指定地域密着型介護老人福祉施設については、介護保険で提供される施設サービス費のうちの自己負担分の2分の1が医療費控除の対象となります。
介護老人保健施設、指定介護療養型医療施設については、リハビリや治療をするため、介護保険で提供される施設サービス費のうちの自己負担分が医療費控除の対象となります。
ただし、介護保険の対象とならない日常生活費(理美容代)や日常生活で必要なものを購入する費用は、医療費控除の対象にはなりません。また、グループホームや、有料老人ホームでの介護サービスは対象外となります。
⑥「居宅(在宅)サービス等の対価」で戻ってくるお金
在宅で介護保険のサービスを受けている人は、訪問看護や訪問リハビリテーション、医療機関でのデイサービスやショートステイなど、かなり幅広いサービスで自己負担している金額が医療費控除の対象となります。また、医療費控除対象の居宅サービスとセットなら、夜間のオムツ交換や訪問入浴サービスなども対象になります。
ただし、福祉用具の貸し出し料金や生活援助のサービスなどは対象外となっています。
介護は、平均で5年と言われています。保険でまかなえる部分は医療費控除の対象になりませんが、自己負担もかなりあるケースが多いので、家族を介護しているなら、戻してもらえる税金はしっかり戻してもらいましょう。