「チョコレートの国」ガーナで消えるカカオ農場

バレンタインデーと聞いてあなたは何を思い出すだろうか。大切な人に手渡すチョコレートはどんなものにしようか、今年はいくつ義理チョコを贈らなくてはいけないのか、などと頭を抱えている人もいるかもしれない。

この記事を書いている今はまだ2021年1月後半だというのに、すでに街では赤やピンクの看板とともにバレンタインチョコを売っている店を見かける。そんなチョコレートの原料のカカオ、日本は約80%をガーナからの輸入に頼っている。

カカオ農園で違法金採掘をしているガーナの人々。カカオ豆の栽培では生活がままならない人もいる(2018年5月、筆者撮影)。
カカオ農園で違法金採掘をしているガーナの人々。カカオ豆の栽培では生活がままならない人もいる(2018年5月、筆者撮影)。

カカオ生産はこれまでも児童労働など様々な問題が挙げられてきたが、近年、ガーナのカカオの多くが生産されている中南部アシャンティ州では、カカオ農園から青々とした木々が消え、グレーの泥沼に激変した光景が見られる。ミネラルの豊富な土地が違法金採掘のスポットとして掘り起こされているのだ。取材に訪れた2018年5月、現地では違法金採掘の取り締まりに、政府が武装した軍を投入しており、物々しかった。