「15分思考」で1時間のミーティングを30分にする方法

最後に、1時間のミーティングを30分に短縮するための手順とコツをお伝えしましょう。

1.まずは45分に短縮する

理想は30分ですが、最初は45分を目指します。15分刻みで「所要時間」を考えられるようになるからです。いわば、「15分思考」を習慣化するための第一歩です。

2.ミーティングの冒頭で、それまでの経緯について簡単に触れておく

ミーティングの開始前に過去の面談における論点を確認しておくことが大切です。しばしば、前回の面談で合意した内容と、アポイントを取った時点で頭に浮かんでいる提案内容にズレが生まれます。それを解消し、「ボタンの掛け違い」を回避します。

3.複数の参加者がいる場合は、フォーカスする相手を決める

参加者が多い場合、全員を等しく満足させようとすると、時間が足りなくなるケースがあります。たとえば、案件について詳しい担当者と、はじめてミーティングに参加する上役が同席しているような場合、そのミーティングの議題に合わせて、話す内容を絞り込むことが必要になるでしょう。

4.選択肢を提示する場合は、判断するポイントを限定する

顧客の多くは、面談によって自分の判断の負担が軽減されることを期待しています。ところが、正確な情報提供に努めるあまり、選択肢を増やす営業パーソンが少なくありません。その結果、合意をとりつける確率はかえって低くなります。つまり、顧客に難しい判断を強いることがないように、余計な選択肢は提示しなくてもいいのです。「なぜ、この選択肢を提示しなかったのか?」と顧客から事後的に質問されたとき、きちんと理由を答えられるようにしておきましょう。

5.顧客の事情や経緯に合わせて資料を作成しておく

原裕平『非対面営業の教科書 米国トップ企業での体験から3つの習慣』(大和出版)
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顧客の信頼を得て、商談をスムーズに進めるには、①顧客のニーズや考え方についての認識(わかっていること)を明示して安心させたり、②顧客の目標(これからやること)を確認したりすることも大切です。毎回、資料を用意しておく必要はありませんが、随時1〜2枚にまとめ、ミーティングの冒頭に提示できればベストでしょう。

このような手順を踏めば、多くの「1時間ミーティング」を45分あるいは、30分にすることができます。仮に1日15分を“節約”しただけでも、1カ月20営業日で5時間、年間で60時間が捻出されます。

これだけでもたいへんな効率化ですが、「15分思考」をマインドセットとして定着させることは、さらに重要です。「60分間のアポイントを30分に短縮し、削減した30分のうちの15分を事前準備に投入したら、どれだけ効率化できるか?」という視点で、すべてのスケジュールを見直すようにしましょう。

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