嫌いな人が職場にいて「会社に行きたくない」ときは

嫌いな人が職場にいて、明日も明後日も顔を合わせなくてはいけない。会話をしなくてはいけない。そう思うと「いつまでこれが続くんだろう」「もう会社に行きたくない」と考えるのは、ある意味自然なことです。

井上智介『どうしようもなく仕事が「しんどい」あなたへ ストレス社会で「考えなくていいこと」リスト』(KADOKAWA)
井上智介『どうしようもなく仕事が「しんどい」あなたへ ストレス社会で「考えなくていいこと」リスト』(KADOKAWA)

でも、それってとてもしんどいですよね。なぜなら、人間は、いつまで続くかわからないものに対して大きなストレスを感じるからです。

それは、ゴールが見えないまま過酷なマラソンをしているようなもの。いつか体調を崩すのは目に見えています。

産業医として、人間関係に悩んでいる方と面談をすることは非常によくあります。その中には、

「同僚と本当にウマが合わないんですけど、今一緒に進めているプロジェクトが来月には終わるので、それまでならなんとか頑張れそうです」

という人がいる一方、

「苦手な上司のアシスタントに指名されてしまって、いつまでこれが続くのかと思うと、夜も眠れなくなります……」

と話す方もいます。

このように、どんなに辛い状況でも、終わりが見えているかどうかによって、心の負担は大きく変わってきます。

つまり、終わりが見えているということがとても大切なのです。

「期間限定思考」で乗り越える

そこで、私がおすすめしているのが「期間限定思考」です。

いつまでなら耐えられるかという期限を算定して、「いつまで続くかわからない」という恐怖を取り去ってしまうのです。

相談者Aさんとのやりとりを紹介しながら、もう少し詳しく説明しましょう。

【Aさん】すごく嫌いな人がいて、毎日顔を合わせるのが苦痛で仕方ありません。

【私】配置転換できるならそれが一番ですが、言っても叶わない可能性はあります。だから、Aさんがどこまで我慢できるのかということになると思うんです。期間限定で頑張るとしたら、いつまで耐えられそうですか?

【Aさん】期間限定ですか……。今は声を聞くだけでもゾッとするくらい嫌なんですけど、来月、新入社員が入ってきたら、自分がお世話係をするかもしれないので、そうしたらだいぶあの人とは離れられそうです。だから、1カ月くらいなら耐えられるかもしれません。

【私】なるほど。それなら、その1カ月くらいは頑張ってもらったらいいのかなと思います。でも、もし、1カ月たっても同じ状況が続くようだったら、逃げられる体力、気力があるうちに逃げることも大切ですよ。

【Aさん】そうですよね。とりあえず1カ月間、期間限定で頑張ってみて、状況が変わらないようだったら転職も検討します。

【私】そのような考えでいいですね。

【Aさん】ありがとうございます。なんだかスッキリしました。期限があれば頑張れそうです!