公務執行妨害を不問とし2日後に強制送還

警察と海上保安庁による取り調べ後、身柄を引き渡された法務省福岡入国管理局那覇支局により14人全員の強制送還手続きがとられた。この時も2004年の事例と同様に、わずか2日後には、乗ってきた抗議船と那覇空港からのチャーター機によって香港に強制送還された。

チャーター機の費用は、基本的に活動家ら本人が負担することになる。しかし、本人が支払うことができない場合は国費、すなわち税金となる。

民主党・野田佳彦首相(当時)は15日夜の記者会見で、「法令にのっとり厳正に対処する」と発言した。だが、巡視船にレンガを投げたにもかかわらず、彼らが公務執行妨害容疑で逮捕されることはなかった。

2003年時点で危機管理マニュアルは策定されていた。にもかかわらず、中国への過剰な配慮が行われ、早期の幕引きが繰り返された。何があっても「遺憾」としか言えない日本政府が、将来的に強硬な姿勢を取ることができるとは思えない。これから先も、中国は日本を甘くみて挑発的な行動を取るだろう。

荒れた海を航行する漁船
写真=iStock.com/piola666
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「遺憾」で済ませられない事態が起こりかねない

今後中国は、日米共同演習などの対抗策として、海警局船舶の護衛のもと数十隻の中国漁船で押し寄せ、海上保安庁の能力を飽和させる作戦に出るかもしれない。この場合、尖閣諸島に上陸するは、漁民に扮した「海上民兵」になると思われる

彼らは軍事訓練を受けている。尖閣諸島周辺海域に機雷を敷設して海自、海保の動きを封じることもできるし、上陸して地雷を埋設することも考えられる。

多数の武装した漁船を相手にする場合、どのような措置が取られるのだろうか。海上保安官が漁船に乗り移り、船員を逮捕することは容易ではない。武装した漁船への立入検査は命がけだ。もし、海上保安官が死傷しても、日本政府は「遺憾」で済ませるつもりなのか。

中国に過剰に配慮する必要はない。日本が単独で対処することになる「グレーゾーン事態」に対応したマニュアルの策定を急ぐべきだろう。

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