もちろん、後者ははるかに難易度が上がりますが、「なぜこのエピソードがここに書かれているのか」「著者にどんな意図があるのか」「この問題はなにを書かせたいのか」といったことを文章から正確に読み取れたからこそ、課題を的確にクリアできたのです。

国語力を上げる方法は、これに尽きます。

ていねいに読む。

コツは、本当にこれだけです。国語力が低い人は、自分でも気づかないうちに文章を読み飛ばしたり、自分の思い込みで勝手に意味を補ったりして、解答が著者(出題者)の意図から離れていく場合がとても多いのです。

わたしは、国語力を上げるために特別な教育を受けたわけではなく、ただ人よりも多く本や教科書をていねいに読み続けただけです。そうして国語力に偏重したことでハーバードまで行けたと、わたしは本当に思っているのです。

大切なのは継続・反復、そして「素直さ」

勉強するときは、「続けること」「反復すること(復習すること)」が大切だとよくいわれます。加えてわたしは、ある程度の「素直さ」も、勉強する姿勢として重要だと考えています。

勉強の過程で、「このゴールでいいのだろうか?」「この課題設定はおかしくないか?」と、疑いを持つことがあります。最近では、むしろ枠組み自体を疑うことが推奨されています。

ですが正直なところ、それがいいか悪いかはともかく、いわゆる「勉強」が得意な人たちというのは、たとえば試験のあり方そのものや、いまの社会のルールの根本をあまり疑いません。素直にルールにしたがってまっすぐに成果を出しているのが実情です。

そもそも、「この試験のあり方はおかしいのでは?」「これを勉強する意味はなんだろう?」ということが気になるなら、むしろそこから、「自分のための学び」に入ったほうがいいでしょう。とくに自分のための学びには、自分なりの問いを、つねに立てていく姿勢が必要です。

わたしはこれまで勉強する過程において、そんな感情に引っかかったことがほとんどありません。目標を達成するために必要な課題を、素直に粛々と受け入れたからこそ、コツコツと勉強を続けられたと自覚しています。

そうして勉強のレベルが上がっていくにしたがって、ある程度疑う力がついてくるし、それによって自分のための学びに近づいていく場合もあるのでしょう。

ただ、明確に設定したゴールに向かって行う勉強の過程では、疑わずに素直に取り組むことが実際には効率的だと考えています。