「なるほど」の積み重ねで、勉強が好きになる

さらに、そうやって会話を続けながら、子どもに「自分で解いた」という思いを抱かせることが大事です。

そうすると、「なるほど!」「そうなのか!」という納得感やうれしい感情とともに、大切な知識が脳に刻まれていきます。

そういった「なるほど」という感覚は、単に「わかる」こととは違います。「わかる」というのは、答えまでの筋道を、単にたどっていくことを指します。でも「納得」というのは、筋道を最後までたどる過程で、「なるほど」「そうだったのか」と感情が動く状態なのです。

その達成感を重ねることにより、勉強が好きになっていきます。こういった体験を1000回、いえ2000回でも、3000回でも小学生のうちに繰り返し経験させてあげてください。

そういった成功体験があれば、少し難しい問題に出合っても、「がんばればできるかもしれない」とチャレンジできる子どもになるのです。

「カステラを包丁で切る体験」で立体感覚が身につく

とりわけ小学4年生までのあいだは、問題集を解く以外の場面でも「なるほど!」体験をさせてあげましょう。

図形を勉強すると、立体問題がよく出てきます。それを理解するためにも、実際に展開図を自分で書いて、それをハサミで切って組み立ててみるのです。受験問題でよく出てくる、三角すいの展開図などはまさにうってつけです。

また、立体を切ってみることも理解を深めます。コンニャクやカステラを包丁で切るという体験です。

西村則康『わが子が勉強するようになる方法』(アスコム)
西村則康『わが子が勉強するようになる方法 2500人以上の子どもを超有名中学に合格させた「伝説の家庭教師」が教える超実践的な38のルール』(アスコム)

立体の切り口がどうなるか、まるで透視能力のように理解できる子どもも時々いますが、多くの子どもは、それを自分で学びとる必要があります。実際に自分でつくり、組み立てたり切ってみたりすることで立体感覚を身につけることができますし、かならずや、「なるほど!」という発見や感動があるのです。

さらには、何か古くなった機械などがあれば、それを分解して組み立て直すのも、とてもいい経験です。つくっては壊し、壊してはつくる子どももいますが、その体験のなかから得られることははかり知れません。

大きくなるとこういった工作には興味が湧きづらくなるので、これはぜひとも小学4年生頃までにやっておきたいことの一つです。受験する、しないにかかわらずです。小さい頃から勉強だけをやらせていると、頭打ちになりやすいのです。

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