「あなただったら大丈夫」が自己肯定感を高める

そんな身体感覚に優れ、「自分はきっとできる」という感覚を持っている子どもは、問題を粘り強く読み進めていく力を持っているのも特徴です。

子どもというのは、がんばれそうだと自分が思えれば、がんばるもので、それを支えるのが成功の予感なのです。難問を前にして、「なんとしても解いてみせるぞ」と思うことができるのは、「僕(私)にはできるはずだ」という自己肯定感に裏打ちされた、成功の予感があるからです。

そうやって真剣に問題に取り組んだあとに解説を聞けば、

「あ〜、そこに気づけばよかったのか!」
「僕もかなりいい線までいったぞ」

と、適当に問題を解いた子どもよりも納得感が高まり、より自己肯定感を強めていくことができます。自分にはできるという自信は、まさにそういう小さな成功体験の積み重ねで身につきます。過去に成功体験があるからこそ、少しくらい無理かもしれないと思っても果敢にチャレンジできるのです。

自己肯定感が成功の予感を生み、成功の予感によってがんばれば、より自己肯定感が強くなって、さらに難しい問題が解けるようになっていきます。

黒板に描かれたダンベルを持ち上げる少女
写真=iStock.com/Chinnapong
※写真はイメージです

そういった自己肯定感のベースは、実は親子関係、母親と子どものコミュニケーションのなかにあります。親は、

「自分の子だから大丈夫」

という感覚を持ち続けてください。そして、

「あなただったらできそうね」
「あなただったら大丈夫よ」

といった声かけを、うんとうんと、たくさんしてあげてください。

ひとり言を言いながら勉強する子は伸びる

「頭のいい子」に育てるためには、小学4年生までにどれだけ感動を積み重ねられるかが大切です。問題を解いている時でも、

「あ、そうなのか」
「なるほど〜!」

などとひとり言を言いながら勉強している子というのは必ず伸びます。

たとえば、算数の問題がわからないとします。その時、親が一方的に教えたり説明したりするのではなく、子ども自身がなるべく考えるように仕向けるのです。

「この問題では何を聞かれているのかな?」

それで子どもが答えたら、

「なるほど。いいところに気づいたね」

と、もし答えが間違っていたとしても、とりあえず認めてあげましょう。正解が出たか出なかったかという結果だけではなく、思考の過程が正しければそれを認めて、ほめてあげるのです。