保護者が平静をふるまう姿勢がわが子の合格を手繰り寄せる

わたしはこの2月に『令和の中学受験 保護者のための参考書』(講談社+α新書)を上梓した。ここでその中から一部抜粋したい。

矢野耕平『令和の中学受験 保護者のための参考書』(講談社+α新書)
矢野耕平『令和の中学受験 保護者のための参考書』(講談社+α新書)

〈中学受験期にわが子がポジティブな姿勢で中学入試本番に向けての総仕上げにしっかり取り組めるか否か……これは保護者のわが子への接し方が鍵を握るのですね。

保護者がわが子の中学受験に対して「のめりこんでしまう」「不安を膨らませてしまう」とスランプに陥ったり、入試を目前に余裕を失してしまったりした子が「逃げ場」をなくして行き詰まってしまう(やる気を失くしてしまう)ことがあるのです。

中学受験期であっても、いや、中学受験期だからこそ、保護者は自身の不安をひた隠しにして、子の前では泰然自若とした姿勢を貫くことが肝要です。親の「演技力」がそこでは求められています。保護者が常に「平常心」を保っているように「ふるまう」姿勢がわが子の合格を手繰り寄せることにつながるのですね(第4章「中学受験期の親子関係」より)〉

本書では、中学受験期に生じる親子のトラブルやその解決策を具体的に紹介している。機会があれば、ぜひ手に取ってほしい。

親の負の感情が子に伝播するのは、入試本番に限った話ではない。受験対策で塾に通い始めてからの日々の生活でも同じことが言える。わが子の中学受験にかかわる中で、子が勉学に意欲的に取り組めるように親の務めを果たす。これは、本当に難しいことだが、笑顔を絶やさない俳優の役柄を貫き通し、わが子を温かく見守り続けることが、親自身の大願を成就させることにもなるのだ。

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