着眼点3.リセール可能なものは資産性を意識して買う
リセール可能とは、中古市場や転売市場が整備されていて、自分が使ったあと売却して資金を回収できるもののことです。中古車や中古住宅などが典型例で、人気があるものなら高値で売却できますから、買うときの値段が高くても、最終的には安くつくというのはわかりやすいと思います。
たとえばマイホームを選ぶとき。多くの人は、戦略的に不動産を選ぶ(立地や将来の資産価値を考慮して)というよりも、自分の収入で買える価格帯から、その場所のその物件を選ぶ、という傾向があります。さらに新築信仰が強く、「新築だから買う」という判断をします。
そのため、都心から遠く離れた郊外とか、最寄駅からバス便などの不便な場所の家を選んでしまいます。そして将来の資産価値は大きく下がり、仮に2500万円で買った家が30年後にはたとえば500万円になる、という事態になります。
一方で、ちょっと値段は高くても都心の便利な場所に買っていたらどうなるか。仮に買ったとき5000万円したとしても、30年後もほぼ同じ値段で売れれば、その30年間はほとんどタダで住めたことになります。しかも通勤通学にも便利。
このほかにも、絵画や陶器といった希少性の高い芸術品、高級腕時計や高級ブランドバッグといった趣味性の強い商品、アンティーク家具など経年によって価値を増すものなど、見渡してみればたくさんあることに気が付きます。
上手なお金の使い方とは、単純に安い値段で買うということだけではなく、入り口から出口までのトータルで考えることです。つまりこうしたリセール市場のある商品は、資産性(換金価値)が高いものを意識して選ぶ、というのもひとつの考え方です。それは結果として良いものを選ぶことであり、快適性など満足度も高い買い物につながるでしょう。
着眼点4.長く使うもの、使用頻度が高い場合は良いものを買う
もちろん、すべての商品で高級品が良いというわけではありません。上記とは反対に、リセール市場があまりない、あっても希少性や趣味性が高くない商品は、徹底的に安く買うほうが、経済面では得です。
たとえばパソコンやスマホ、家電、OA機器などは、新モデルが出れば旧型の価値は大きく下がりしますし、生産から5年以上経てば、ほとんどの電化製品の買取価格は二束三文になります。
こういったものは、ネットで比較したり、決算セールといったバーゲンを利用したりして、安く買うほうがキャピタルロスは避けられます。
ただし注意が必要なのは、安物買いの銭失いという言葉があるとおり、安く買ってもすぐダメになり、修理や買い替えの頻度が高くなると、結局は高くつくことになりかねないこと。特に、長く使うものや使用頻度の高いものは、良いものを選んだ方が結果として賢い買い物になる場合が少なくありません。