ビジネスで難問に直面したとき、どう取り組めばいいか。Airbnb執行役員の長田英知氏は「『問題』を切り分けて『課題』に置き換えることが重要だ。正しい視点で切り分けられれば、どこから手を付ければいいかが見えてくる」と説く――。

※本稿は長田英知『あたらしい問題解決』(日本実業出版社)の一部を再編集したものです。

困難な意思決定の概念
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解決策は「問題」と「課題」の特定から生まれる

「問題解決」のプロセスにおいて、「問題」のありかを特定したあとに大事なのが「問題」から適切な「課題」を導き出すことです。

このように申し上げると、「問題」も「課題」も両方同じものじゃないかと思われる方も多いかもしれません。なぜなら、一般的には「問題」と「課題」という言葉はあまり区別せずに利用されるからです。

しかし戦略コンサルタントにおいては、この2つの言葉を切り分けて考えているため、まずはその違いについて説明します。

端的に言うと、「問題」とは「あるべき姿」を阻害されている状態のことを差し、「課題」とはその阻害要因を解消するために解決すべき具体的なポイントを指します。私たちが直接的に解決できることは「課題」です。「課題」が解消されれば、結果として「問題」は間接的に解決されることになります。