リズの場合、週に1日はミーティングも電話会議もプライベートで人と会う予定も入れない日を確保しています。途中になっている仕事もこの日に進められるので、ほかの日にそこまで追い詰められずにすみます。まる一日あけておくのが難しければ、何時間かだけでも確保して、やりたい仕事に集中できるようにしてみましょう。
ほんの5分デスクを離れるだけでも緊張がほぐれ、そのあとまたがんばることができます。デンマークで行われた実験では、試験の前に短い休憩を入れた学生のほうが、ひと息つく時間を一切与えられなかった学生より高いスコアを取っています。別の実験では、数分でも同僚と雑談すると、一人で休憩するよりも早くストレスがなくなる傾向がみられたそうです。
「今日の仕事は終わり!」と脳に伝えるお決まりの習慣があると、切り替えがうまくいきます。例を挙げると、歩きか自転車で家へ帰る(短い時間、軽く身体を動かすだけでも効果があります)、帰宅中に電車の中などでメディテーションする、音楽を聞く、雑誌を読む、ウェイトトレーニングをする(いわゆる有酸素運動よりも筋力トレーニングのほうがより気分を上げてくれるという研究もあります)などです。
『大事なことに集中する――気が散るものだらけの世界で生産性を最大化する科学的方法』(ダイヤモンド社)の著者であるカル・ニューポートは、一日の終わりに習慣にしている一連の行為があるといいます。
まず、やることを書きとめたメモを整理し、基本のタスクリストとしてまとめる。そしてコンピュータを閉じ、こうつぶやく。
「スケジュールシャットダウン、完了」
ニューポートは次のように説明します。
「これが自分のルールです。決まり文句を声に出して言えば、そのあとで仕事関係の不安が頭をよぎっても『終了のせりふをもう唱えたんだから』と考えるようにします」
まずは自分のための時間を捻出すること。仕事をしすぎる自分から距離をおくには、これが一番簡単な最初の一歩です。