休暇を取り、その間は仕事の連絡をとらない

長めの休暇をとると、心と身体の健康を守れますし、生産性も維持できます。とくに、休み中に職場の人と連絡しないように割り切るのがおすすめです。現在、アメリカ人の半分以上は与えられた有給休暇を使い切っていません。1日メールで連絡がつかなくなると考えただけで罪悪感にかられるようでは、遠い南の島で休暇を楽しむのは難しそうです。

リズは以前、休みをとりたいと上司に言い出すのにもびくびくしていました。休むとあてにできない人だと思われる気がしたからです。職場で部下をもつみなさんが休みをどうとらえるかは、かなり重要です。

働く人の多くが、休みをとることに関して管理職はとくにいいとも悪いとも言わないか、否定的な態度を示す、あるいは口ではいいと言いつつ矛盾する態度をみせる、と指摘しています。上の立場にいる人がもう少し休みをとることに積極的になれば、みんながもっと休暇を活用できるようになるはずです。「休みをとろうとすると上司が明らかにいい顔をしなくて……」という人は、このあとに続く項目を読んでみてください。ヒントになると思います。

平日夜、仕事から離れる日をつくる

仕事のある平日に楽しい時間をつくるのは休みをとるのと同じように大切ですし、ちゃんとした休暇をとるより実行しやすいのではないでしょうか。ボストン・コンサルティング・グループは「プレディクタブル・タイムオフ(PTO)」と名づけた制度を取り入れ、チームのメンバー6人が平日夜に一日ずつ完全に仕事から離れる日を設けました。

すると社員の満足度は増し、気持ちにゆとりができて、離職率も下がったそうです。また、仲間が心身とも気持ちよく働けているかを意識するようにもなりました。コンサルタントの一人はこう述べています。

「仕事に打ち込んでいても、お互いを気にかけて、疲れて燃え尽きてしまっていないか目を配っています」

夜まで仕事を持ちこまない日をつくると、睡眠を補うこともできます。しっかり寝ていないと外科医も手をすべらせるし、ドライバーも事故を起こすでしょう。睡眠不足だと気持ちも沈み、不安になりがちです。長い間寝ていない状態の人は他人の友好的な表情を敵対的とみなす傾向がある、という実験結果もあります。そう考えると、よく眠れていないときはモリーのお母さんの名言に従っておくのがよさそうです。いわく「ちゃんと寝てないときに人生について判断を下してはだめ」。