非認知能力の育成に欠かせない、子どもの声に耳を傾ける姿勢
となると、今後の乳幼児教育や小学校教育は大きく変わっていく必要があります。いつまでも、テストで高得点を取ることだけが素晴らしいと評価する教育ではダメなのです。
もちろん、これは学校などの教育現場だけの問題ではありません。家庭教育も、「非認知能力を伸ばす」ことを意識して行うべきでしょう。
とはいえ、身構えるような必要はありません。大事なのは、「子どもの話をきちんと聞く」ことです。
教育に熱心な親ほど、子どものいうことに耳を貸さず、「これが子どものためになるんだ」と勉強や習い事を押しつける傾向にあります。それでは、まったくの逆効果。
まずは、「なにかやりたいことある?」と子どもに聞いて一緒に考えること。そのなかで、互いに折り合いをつけていくべきでしょう。
宿題ひとつ取っても、「○時になったから宿題をやりなさい」ではダメ。「何時になったら宿題に取りかかれる?」と子どもに聞いてください。そうして決めた時間は、親が決めたものではありませんよね?
これはつまり、子どもに選択権をわたしているということです。そうすれば、親からすれば「あなたが決めたことでしょう?」といえるし、子どもからすれば「自分で決めたのだからやらなくちゃ」と、自発性や意欲、責任感を養うことにもなります。
多くの親は、その過程を省いてしまっているように感じます。そうではなくて、親と子どもそれぞれが納得する「一致点」をつくるコミュニケーションをたくさん取ってください。そういったことが、子どもの非認知能力を育んでいくのですから。