立川志らく氏は「そんな議論は飲み屋でやってくれ」

このやりとりで潮目が変わった。SNSでは、蓮舫氏の追究が、あまりにも礼を失していた、との非難が多く見られるようになった。28日以降のテレビ情報番組も、与党議員の銀座通いや、頼りない答弁をする菅氏ではなく、蓮舫氏の「無礼な」質問の方をフォーカスする内容が増えた。

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いくつか例をあげると、フジテレビ系「バイキング」ではMCの坂上忍氏が「正直、失礼だなと思った」と、菅氏に肩入れ。TBS系「グッとラック!」では立川志らく氏が「そんな議論は飲み屋でやってくれ」と斬って捨てた。志らく氏は「言葉が国民に伝わるかどうか」というパフォーマンスについての議論は、志らく氏自身も含めたコメンテーターや、サラリーマンの居酒屋談義に任せておけばいいのであって、政治家は政策論を戦わせるべきだ、という考えだ。

31日のTBS系サンデー・ジャポンではテリー・伊藤氏が「(蓮舫氏は)政治家としてよりも、人間として未熟」と発言。MCの爆笑問題・太田光氏は「(蓮舫氏は上級国民ならぬ)追及国民と言われている」と言って笑わせた。

蓮舫氏は「謝罪ツイート」、また起きたブーメラン現象

異彩を放ったのは29日の衆院本会議でのできごとだ。日本維新の会の足立氏は「長らくコロナを取り上げてこなかった蓮舫議員や維新以外の野党がなぜ、急にコロナ対策に奔走する菅総理や閣僚を偉そうな口ぶりで糾弾できるのか。総理にうかがいます。彼らはなぜそうも偉そうな態度を取る事ができるのでしょうか」と質問した。

曲がりなりにも野党の一角を占める議員が、野党議員を批判してその感想を首相に求める、という異例の事態に、議場は沸いた。

集中砲火を浴びた形の蓮舫氏は28日、自身のツイッターで「いつも反省するのですが、想いが強すぎて語気を張ってしまうことを。提案した内容がきちんと皆さんに伝わるよう、引き続き取り組みます」と「謝罪」に追い込まれた。

2012年に安倍氏が首相に返り咲いて以来、野党勢力は、政府・与党の問題を追及していくうちに、自分たちにも問題が発覚。逆に批判を受ける「ブーメラン現象」が続く。今回も、その典型例といえる。