サバイバルゲーム専用眼鏡の宣伝は「ツイッター」

次に紹介するのは、文字数制限のあるツイッターを活用して、ファン客を囲い込んだ事例である。岐阜県大野町で眼鏡店「スマイル・アイ」を営んでいる村木昇さん。数年前に友達に誘われてサバイバルゲームを始めたところ、どっぷりとその世界観にはまってしまった。しかし、ゲームを続けるうちに、ある違和感を持ち始める。

「ゴーグルを雑に取り扱う人が多かったんです。傷がつくことも気にせず、そのままカバンの中に放り込む人もいて、アイウエアに対して意識の薄い人が多いと思いました」

これをきっかけに、村木さんは自店で目を保護するプロテクションアイウエアの取り扱いをスタート。サバイバルゲーム専用の眼鏡を取り扱う部門を「スマイル・アイ・タクティカル」と命名し、レンズメーカーと共同で開発した衝撃に強いオリジナル眼鏡の販売も始めた。しかも主力となる販売告知方法は短文の投稿しかできないツイッター。そんな短い文章で情報を伝えて、商品を買ってくれる顧客などいるのだろうか。

「昨年、新商品の1万4000円のアイウエアの販売をツイッターで告知しましたが、一晩で60本近く売れました」

青い眼鏡をかけてゲーム用の銃をかまえる男性
画像提供=スマイル・アイ
スマイル・アイが販売するサバイバルゲーム用の眼鏡

約4200人の「熱烈なファン」を囲い込み

ネット広告よりも爆発的な販売力を持つのが、スマイル・アイ・タクティカルのツイッターなのである。2021年1月時点のツイッターのフォロワー数は約4200人。決して多い数ではないが、熱烈なファンが村木さんのツイッターをフォローしているのだ。

「趣味性が強い商材なので、多くを語らなくても商品の良さを理解してくれる人が多いんです。そもそもの情報が少ない業界なので、ツイッターで新しい商品情報を見つけると、すぐに拡散する人が多いことも、ネットショップの売り上げ増につながっている要因だと思います」

2019年7月にはクラウドファンディングで130万円を集め、サバイバルゲーム専用のメガネショップを同じ大野町にオープンした。こちらもツイッターを通じて足を運んでくるお客様が多いという。