再挑戦へのアドバイスをしっかりと
さらに、アドバイスもなく「もう一回やってみなさい」と迫るのも要注意。
反復練習が必要な学習過程もありますが、一度できなかったものを単に繰り返すように指示するだけでは、期待する結果が得られるどころか、できないことで、学習への嫌悪感を焼き付けてしまいます。
もう一度というのであれば、2回目にチャレンジするためのアドバイスをしましょう。次のステップをサポートしてから、再挑戦を促すべきです。
子どもが間違えた時、まずは、間違えは学習に取り組んだが故に起き得たのだということを意識して、子どもがその問題にチャレンジしたこと自体をほめましょう。
教材のレベルが高かったにもかかわらずチャレンジすることができたことや、間違いをしたことから新たな学びを得る機会ができたことなどについて、ポジティブに言及してほめることが、効果的なサポートになります。
子どもが間違えた時の声かけのコツ
以上、子どもが間違えた時の声かけのコツとして注意する点を箇条書きでまとめておきます。
B.ネガティブなステレオタイプを使わない。
C.ネガティブな主観を表さない。どこが間違えか客観的に示す。
D.問題が子どもの学習進度にフィットしているかどうか考える。
E.再挑戦の際には、やり方の方向性をアドバイス。
F.チャレンジしたことをほめたたえる。
これらを意識して、冒頭の叱り方を学育的に吹き替えると以下のようになります。
「難しかったね。でも、よくチャレンジしました。ここが、こうこうなので、ああしなくてはいけない。これこれこの点に注意して、こっちの問題をやってみたらどう?」
また、子どもが問題に取り組んで間違えるのではなく、「分からない」と報告するような状況もあります。その場合も、これまでの点を応用しましょう。
何かが分からないということが分かるのは、その何かを考えてみたから分かること。まずはその姿勢を認めてあげることから始めましょう。
その上で、問題の考え方をアドバイスしたり、ヒントを出したりしてあげましょう。
さらに、「分からない」が、単に、その課題をやりたくないという意思表示の場合もあります。そう判断したならば、現在の学習方法や条件が子どもの学びにフィットしていないと仮定して、変えられる点を変えてあげる努力をしましょう。