「便秘茶」は本当に体に優しいのか?

人工的に作られた薬に比べるとお茶は自然な食品なので、体に良さそうというイメージもあります。薬は続けて飲んでいると副作用が出たり、依存症になったりするかもしれないという不安があるかもしれません。それに比べるとお茶はなんだか安心して飲めそうです。このために抵抗感が少なく、薬は嫌だからお茶を飲んでいるという人が多いのです。

また、普段飲んでいるお茶を便秘茶に変えるだけなので、生活にも大きな影響がありません。味も美味しく作られているので、つらいけど頑張って飲もうというものでもありません。

量の調節も簡単です。便秘茶を濃く煮出すか、薄くするか、その日の調子や気分で自由に調整できます。飲む量は自分で加減できますから、少しだけ飲むことも可能ですし、それこそ普段飲むお茶の代わりにガブガブ飲むこともできます。

これらの理由で、便秘茶は利用する抵抗感がとても低く、「よし、とりあえず試してみよう」「効果がなければ違うことを考えよう」という使い方ができ、とても便利です。すっきり便を出したい、あるいは便を出してお腹をスリムにしたい人と思っている人には敷居が低くて手に取りやすいでしょう。

刺激性下剤が入った便秘茶も

しかし、私は便秘茶の利用は、薬以上に気を付けた方がよいと考えています。なぜなら、多くの便秘茶には刺激性下剤の成分が含まれているからです。そうとは知らずに便秘茶を飲んでいる人が非常に多いのです。

便秘茶のサイトで表示されている、お茶に含まれる原材料を見てください。ごぼう、プーアル、ほうじ茶、麻の実、杜仲の葉、ハブ茶、オレンジピール、クコの実……とても多くのお茶の材料が入っていますね。20種類以上の材料が入っているものもあります。

この原材料の表示でまず注目してもらいたいことは、表示の順番です。原材料表示の順番は「食品表示法」という法律で、最も一般的な名称を用いて、使用した重量の割合の高い順に表示するように定められているのです。

食品表示法のことを踏まえた上で、便秘茶の原材料がどのような順番で並んでいるか確認してみましょう。大体は「ゴールデンキャンドル」や「キャンドルブッシュ」、「カッシアアラタ」が先頭にあります。つまり、これらの成分が一番たくさん含まれています(ゴールデンキャンドル、キャンドルブッシュ、カッシアアラタはすべて同じ成分なので、以下これらをまとめてゴールデンキャンドルとだけ書きます)。

『男の便秘、女の便秘』より
イラスト=安良岡和美