ブルーライトを発する画面を見ることで、寝つきが悪くなる

青い光を含むのは日光だけではありません。白熱電球、LED、テレビ、タブレットやスマホの画面などの人工的な光はすべて、青い光を発し、体内時計に昼間のサインを送っています。

近年、夜に光を浴びること、とくに画面からの影響に、科学者や世間の注目が集まっています。「ブルーライト」という言葉を耳にする機会も増えました。たくさんの科学研究が、ブルーライトを発する画面を見ることで、メラトニン(睡眠をうながすホルモン)が抑制され、寝つきが悪くなることを明らかにしています。

小さな子どもほど、光が睡眠に及ぼす影響が大きくなっています。

コロラド大学ボルダー校のモニーク・ルブルジョア准教授たちが、就学前の子どもたちに「光のテーブル」で遊んでもらうという実験をおこないました。夜に1時間、光るテーブルの上で、透明な塗り絵シートやマグネットタイルなど、光に当たりやすい方法で子どもたちに遊んでもらいました。

すると、メラトニン濃度は通常、夜に上昇して眠さを引き起こしますが、強い光を浴びることで、子どもたちの体内からメラトニンが消え、テーブルの光を消したあとも低下したままだったのです。

夜に浴びる光をコントロールすることで、赤ちゃんの睡眠が改善

この実験で、光が子どもたちに与えた影響は、それまでの実験でわかっていた大人への影響よりも大きかったため、「とくに子どもは夜に光を浴びることによる睡眠不足のリスクが大きい」という仮説が立てられました。

その理由は、外からの光を通過させる目のレンズは、子どものときほど透明度が高く、成長するとともにくもってくるからではないかと考えられています。

赤ちゃんの睡眠リズムを乱すのは青い光だということを示す科学的研究はまだありませんが、自分の子どもや、寝かしつけの相談を受けた多くの家族と試してみたところ、結果は明らかでした。夜に浴びる光をコントロールすることで、赤ちゃんの睡眠が改善したのです。

ところで、わが家の洗面所には、窓がありません。かわりに、鏡の上に明るいライトがあって、合計300Wの光を発しています。歯をみがいたり、顔を洗ったり、メイクをしたり、眉毛を抜いたりするのに十分な明るさです。

ところが、青空の下で鏡を見るといつも、処理し忘れた細い眉毛がたくさん残っていて、びっくりします。そして、眉毛以外にも、だんだんと見えてくる自分の顔のアラ―日光の中で見る自分の顔は、毛穴やしわだらけ。完璧ではない分、個性的です。

なぜ洗面所では見えなかったものが見えてきてしまうのでしょう。