これは、コロナ禍でレストランがどうなっていたか、という話にも似ています。オフィス街にあってランチでにぎわっていたり、ショッピングモールにあって行列ができていたり。そういうところは、コロナがやってきて、閑古鳥が鳴いてしまったところが少なくない。

なぜかといえば、どうしてもそこに行きたいと思って行っていたわけではなく、働くオフィス街にあるから、ショッピングモールで食事をしないといけないから、といった消極的な理由で選ばれていたからです。

逆にコロナ禍でも賑わっていたのは、住宅街の中にあるレストランだったり、駅から遠いお店だったりと、わざわざ行かなければいけない店でした。消極的な理由ではなく、積極的な理由で選ばれていた店だったのです。

コロナがもたらしたのは、レストランにせよ、コミュニティにせよ、消極的な選択肢が削れるようになったことだと私は思っています。仕方なしに選んでいたものを、もう選ばなくてもよくなった。本当に行きたいところ、本当に関わりたい人を積極的に選ぶことができるようになったのです。

会社のコミュニティに依存している人は注意

もうすでに始まっていますが、これから会社は次々にオフィスを閉じていくことになるでしょう。オフィスがあったために消極的コミュニティに関わらざるを得なかった。しかし、これからはもうそれがなくなっていくのです。

一方で、消極的にでも誰かがいると安心だ、会社に行っているだけで安心感が得られる、という人も、もしかすると意外に多いかもしれません。こういう人たちは、これから困ったことになってしまう可能性があります。

オフィスがなくなり、もう消極的なコミュニティはなくなっていくからです。これから求められてくるのは、自分で積極的にコミュニティを選んでいくこと。もう誰も消極的なコミュニティを作ってはくれない、ということなのです。

これからは自分で選んでいく時代になる

消極的な関わり方をしていても、実はただ安心があるだけだった、ということにも気づいておく必要があります。そんな関係性の中にいて、果たしていい未来が待っているかどうか。本当の意味での、自分の心地よさはあったかどうか。

これからは、自分でコミュニティを選んでいく時代なのです。そこにいち早く気づいている人は、すでに動き出しています。

例えば、会社員でも個人でコワーキングスペースと契約する人が増えています。新しいコミュニティを求めて新しい場所を作る。これは極めて積極的です。

もしかしたら自宅でも仕事はできるかもしれませんが、コワーキングスペースを借りることで、新たなポテンシャルが生まれる。とてもいいアクションだと思います。