走ることで放出されるさまなまな脳内物質

走っている時の脳は、どのような状態になっているのでしょう。

実は「無心」状態では、さまざまな脳内物質が放出されています。フロー状態とは、いわゆる「ランナーズ・ハイ」と呼ばれる状態に近いのです。つまり、見た目は汗ダラダラで呼吸が激しくても、内面は爽快感に溢れている。脳内では、高揚感や幸福感を得られるエンドルフィンや、向精神作用のあるフェネチルアミンなど脳内物質が生み出されています。

茂木健一郎『最強メンタルをつくる前頭葉トレーニング』(PHP研究所)
茂木健一郎『最強メンタルをつくる前頭葉トレーニング』(PHP研究所

さらに、太陽の光を浴びながら一定のリズムを繰り返す運動では、幸福を感じるセロトニンが出やすくなります。走ることで快感を得られるため、ドーパミンも放出されます。

つまり、ただただ走るという極めてシンプルな行為が、エンドルフィンやフェネチルアミン、セロトニン、ドーパミンといった脳内物質を多く生み出すのです。特にドーパミンは、ストレス耐性があるため、ストレスが多い環境にも強くなれます。

メンタルを安定させ、考え方もポジティブに持っていきたいのであれば、まず走るべし。ランニングは、脳のバランスを取り、記憶や思考を整理し、精神のメンテナンスも行ってくれる。まさに理想の運動といえるでしょう。

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