将来ではなく「いまこの瞬間」の利益にフォーカスする

活用例
ターゲットである男性ビジネスパーソンの日常生活の中にある、「見た目」を気にする場面にはどのようなものがあるでしょうか。

例えば「大切な商談の前」や、アフター5の「デートの前」などは、少しでもパフォーマンスを高めようとスイッチが切り替わります。

楠本和矢『トリガー 人を動かす行動経済学26の切り口』(イースト・プレス)
楠本和矢『トリガー 人を動かす行動経済学26の切り口』(イースト・プレス)

そこで、これらの状況に紐付けてみます。例えば、「大切な時間の前には、印象を良くするために、肌を引き締めよう」と訴求してみるのはいかがでしょうか。

「10年後の肌」という訴求ももちろんありですが、ずっと美しくいたい、という気持ちを持っている男性はまだそれほど多くない気がしますし、行動経済学的に言えば、将来得られるメリットに対しては過小評価しがちです。

ゆえに、思い切って「その瞬間を成功させたい」という顕在化している短期的な便益にフォーカスしてみるというチャレンジです。

このように、フェイシャルクリームを使うべき状況を明確に提示し、重要な約束の前にはそれを必ず塗って出かける、という習慣を作るのです。

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