子どもに「空気を破る」練習をさせる
いい子症候群の特徴は、周囲の空気を過剰に読もうとすることです。
そう考えると、子どもをいい子症候群にしないためには、子どもに「空気を破る」練習をさせればいいのです。
外食の場面は最適でしょう。親の希望など関係なく、子ども自身に自分が食べたいものを真っ先に選ばせてあげればいい。
このとき、親の顔色を窺うような素振りを子どもが見せていたとしたら、危険信号と考えていいと思います。
「なにを食べればいいかな?」というふうな、指示待ちの言動を子どもがするようなら、いい子症候群の兆候が見られますから、要注意!
親に必要な「待つ力」
そして、子どもが自分で決められるまで、親は辛抱強く待ちましょう。ここに、欧米と日本の大きなちがいがあります。
欧米人の親の場合、「なにを食べたい?」と子どもに聞いたら、子どもが自分で決められるまでずっと待ちます。欧米には、たとえ相手が子どもであっても、自己決定を大切にする習慣があるからです。
ところが、日本人の親は待てない。「じゃ、これにしとこうか」「これ好きだよね、これでいいよね?」と、親が決めて押しつけてしまうのです。
いい子症候群の子どもは、親からすれば親のことを考えてくれて、反発もしてこないし、まさにいい子に思えるでしょう。でも、手がかからないいい子というのは、のちのち手がかかる人間になりやすいのです。
子どもをいい子症候群にしないため、日本人の親にもっとも必要なものは、なによりも根気、「待つ力」ではないでしょうか。