「これで使える」と思いきや、異変が

きっかり2週間後、パソコンが届いた。同梱されていた「基本ガイド」に従って、ウィンドウズのセットアップ作業をこなしていく。最後に「マイクロソフトアカウントに切り替えるには」というページになった。「マイクロソフト社が提供している各種サービスを利用するために必要なアカウント」という説明が書いてあり、ネットに接続して作業するよう求められた。その通りにし、設定を終えた。

これでパソコンが使える。うれしくなって、「エクセル」に1行書き込み、保存してみた。すると、信じられないほど時間がかかる。何が起きているのだろう。はたと思い当たった。マイクロソフトのクラウド「ワンドライブ」に保存しようとしているのではないか。

ラップトップとスマートフォン
写真=iStock.com/hanieriani
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「クラウド保存は時間がかかる」と聞いたことがある。保存先をパソコンに変更しようとしたが、これまでのパソコンにあった「このPC」や「PC」が見つからない。すでに深夜。サポートセンターはとっくに終了している。

席をはずしている間に起きた怪奇現象

翌朝、9時の受付開始時間ぴったりに、パソコンメーカーのサポート窓口に電話をした。事情を説明すると、「マイクロソフトアカウントにかかわることならマイクロソフトに聞いてほしい」と言われた。「御社の基本ガイドに従って操作したらこうなった」と粘ると、「PC」のアイコンを、パソコンの画面に表示する方法を教えてくれた。ようやくワンドライブへ引きずりこまれずにすむようなった。

その後もメールの設定などでトラブルが続く。この日の午前中だけでも、パソコンメーカーとマイクロソフトのサポート窓口に計6回電話をするはめになった。

その夜、パソコンで初めて原稿を書いた。途中で少し席をはずして戻ると、画面に「再起動しています」と表示され、点線で書かれた丸がくるくる回っている。私は再起動した覚えなどない。怪奇現象? 強制終了もできない。電源を切って、無理やり画面を消した。

アウトルックでの送受信が遅すぎる!

マイクロソフトによると、原因は、私のパソコンの「アクティブ時間」が、「8:00~17:00」と設定されていること。ウィンドウズ10の機能のひとつで、アクティブではない時間帯にソフトを自動更新する仕組みだという。それで再起動画面だったのか。担当者によると、表示が出ている間は電源を切ってはいけないそうだ。ああ、もうやってしまった……。