コロナ禍で迫られる、志望校の選択

名を取るか、実を取るか。今年の受験生と親たちの多くが、この難しい選択に頭を悩ませているに違いない。「名」とはブランド、「実」とは授業や勉強も含めた大学生活全般のことである。

文部科学省は今年8月から9月にかけて、全国の大学・短大を対象に、後期の授業実施方針を調査した。その結果は図表1のとおりで、対象となった821校のうち「ほとんど対面」が161校だったのに対し、158校が「ほとんど遠隔」と答えている。

「ほとんど対面」が地方の小規模大学であり、「ほとんど遠隔」は大都市の総合大学で占められていることは、容易に想像がつく。

大学の入り口で立ち止まる学生
写真=iStock.com/mixetto
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各大学のホームページを当たってみると、早稲田大学も慶應義塾大学も上智大学も、首都圏のその他の有名大学も、後期授業の大半をオンラインで行っていることがわかる。関西圏は首都圏より多少マシだが、関関同立(関西大学・関西学院大学・同志社大学・立命館大学)を含む大手は、やはりオンラインやハイブリッド型(オンラインに一部対面式を組み込んだ形式)が中心で、本格的な対面授業は限定的である。

「通信制ブランド大学」より「地方小規模大学」

寒さが増すなかで、新型コロナウイルスの新たな感染者が急増している。第3波の到来である。このままでは、部分的に再開した対面授業すら、いつまたリモートに逆戻りするかわからない。

大学に通えないのであれば、いくらブランド大学といえども、通信制コースに入学したのと変わらない。しかも前期は、自粛生活で精神的に追い込まれ、うつ状態に陥った学生が大勢いたという。その悪夢が、また繰り返される懸念すら現実味を帯びてきた。

そんな危ない大学に、4年間の学生生活を託すことができるだろうか。そう迷っている方々にはズバリ、地方の小規模大学がお勧めだ。