魔法の方法がない限り「有利」にはならない
保険料を一括払いする「一時払い保険」でも同じです。1年後の返戻率が93%の場合、「たとえば、退職金1000万円を投入したとたんに、70万円も手数料が引かれる。魔法のような運用法でもない限り、有利なはずがない」と想像できます。
残念ながら、保険会社は特別な運用法を持っているわけではありません。単に保険料を国内外の長期債券や投資信託で運用するだけなのです。
したがって、保険での資産形成については「余計な仲介料を保険会社に払いながら、債券投資など行うことになる」と認識したらいいと思います。
保険会社の社員は何に入っているのか
以上の2点に留意すると、正しい保険との付き合い方は明らかです。(国や勤務先の保障制度なども含む)自己資金では対応不可能な大金が必要になる緊急事態のみ、保険で備えればいいのです。一般の方、特に会社員は子育て中の死亡保障くらいで済むことが多いでしょう。
実際、保険会社の内勤部門で働いている人たちも、あまり一般個人向けの民間の保険には入っていません。CMなどで宣伝されている商品は利用せず、社内で案内される「団体保険」で死亡保障を持つ程度にとどめているのです。
保険料は年間でも数万円で、月々数万円の保険料負担に悩む人たちとは対照的です。