組織の中に一定数存在する「めんどくさい人」にどう対処したらいいのか。心理学者の内藤誼人さんは「例えば、会議で議論の本質とは異なる小さなことにこだわり、重箱の隅をつつく質問攻めをする人がいます。そうした人を上手にかわすには元英首相のサッチャーさんの実践例が参考になります」という——。

※本稿は、内藤誼人『めんどくさい人の取扱説明書 人間関係がラクになる58のコツ』(きずな出版)の一部を再編集したものです。

面倒くさくなってしまった日本人サラリーマンが体育座りで目をそらす
写真=iStock.com/NicolasMcComber
※写真はイメージです

めんどくさい人のトリセツその1:矢継ぎ早に詰問してくる人

<特徴>
・答えられないことを質問してくる
・相手もそれをわかって質問してくる
・早口な人が多い印象

私は、あまりテレビの国会中継を見るのが好きではない。

とくに、野党の政治家が、重箱のすみをつつくように質問攻めにしている様子は、お世辞にも上品とはいえない。

文句をいって、政権与党のイメージをくずそうとするのも野党の仕事だということはわかるのだが、「相手をやっつけるためだけにしている質問」をくり返しているような気がする。

私はそういう場面をあまり見たくないので、しずかにテレビを消してしまう。

「『検討する必要がある』って、具体的にどう検討するんですか!」
「『全員参加の体制をつくる』って、全員とはどこまでをいうんですか!」

こういう質問は、ただ相手をやっつけるためだけの質問のように感じる。

相手がなにを答えても、もともと受け入れる気持ちなどないのだから、答えるだけムダである。

これを不毛といわずして、なにを不毛というのか

つまり、無益な質問に、えんえんとつき合わされるだけなのだ。これを不毛といわずして、なにを不毛というのか。あまりにしつこく詰問されるので、質問に答える人間が、

「そういう、こまかいことは……」

といおうものなら、

「こまかいこと、とはなんですか! 疑問点はすべて明らかにしておかないと、承知できないのは、当たり前じゃないですか!」

と、さらに食ってかかられるのだから、ほとほとうんざりする。

では、こういう手合いを相手にするときには、どうすればいいのだろうか。

英国ヨーク大学のピーター・ブル博士は、質問をじょうずにかわすことで有名なサッチャー元首相のインタビューを研究し、いくつかの有効な方法について明らかにしている。

それをみなさんにご紹介しておこう。