「自分の弱点を知る」ことからトレーニングは始まる
では、いざ筋トレを始めるとなって、どのようなトレーニングから行えばよいかわからない人もきっと多いと思います。そんな方は、まずは自分の弱点から鍛えてみてはいかがでしょうか。
私がプロのアスリートにトレーニング指導を行うとき、初めにやることはその人の弱点を見つけることです。たとえば、空手など打撃系の格闘技の場合、背筋や腕を伸ばす力、肩の筋肉や体をひねる筋肉、足を踏み込む筋肉が必要になってくるのですが、その人のフォームをチェックして、どこの筋肉が足りていないかを考えます。
もちろん、私はその競技のプロではないので、フォームだけで判断できないこともあります。そんなときは、さまざまな筋力テストを行い、ほかのアスリートの平均値や、その人の体全体の筋肉量のバランスなどから、もっとも弱い筋肉の部位を探り出すのです。
弱い筋肉から鍛え始めることが健康への第一歩
なぜ、最初に弱点を見つけ、その部位の強化から始めるのか。それは、弱点の部位がボトルネックとなり、ほかの部位のトレーニングの妨げになるケースもあるからです。最終的な目標は背筋を鍛えることであっても、そのためにまずは足腰の弱さを克服する。
一見、遠回りをしているように思えるかもしれませんが、最終的にバランスのよい肉体を手に入れるには、どの部位から鍛えるかという順番が重要なのです。
自分にとっての弱点から鍛え始めるのは、なにもアスリートに限った話ではありません。健康を目的とした筋トレでも、やはり自分の弱点を探し出し、そこから強化することが最高の健康を得るための第一歩です。そして、その弱点は、日常生活の悩みから導き出すことができます。
たとえば、何をしてもすぐに疲れてしまい、人より疲労が溜まりやすいという悩みがあるとします。この「疲れやすい」というのは、疲労物質が溜まって、それが抜けない状態のことを指しますが、その原因は筋肉が固まって血管を圧迫しているからです。
つまり、血管が圧迫されることによって疲労物質がうまく排出できず、「疲れる」という状態に陥ってしまうのです。