きつい、汚い、危険。この「3K」で究極の仕事といえばゴミ屋敷清掃だろう。山積みのゴミを片付けるだけならまだいい。ときには虫がわいている箇所に手を突っ込み、人の便や尿さえも処理しなければならない。誰もやりたくないが、誰かがやらなければいけない。そんな仕事にたずさわる人たちは、日々なにを考えているのか。私は、彼らと共に働き、その世界を見たいと思った――。(連載第1回)(取材・文=ジャーナリスト 笹井恵里子)
なぜこのような場所を「汚い」と感じないのか
ドアを開けて絶句した。
古びた一軒家の室内には大量の砂利や鳩の羽、動物の排泄物が染み込んだ紙類が散らばっている。人が住んでいたとは思えなかったが、ここにはたしかに高齢夫婦が住んでいた。妻が病気で入院した数日後に、夫が風呂場で亡くなったという。かねてより近隣から臭いの苦情があったため、地域の包括支援センターが見に行くと、部屋中に物があふれていたそうだ。
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