ルーマニアの首都に世界のハイテク企業が集まっている
たとえば、ブラチスラヴァには、ビジネス誌『インク(Inc.)』が発表する「Inc. 5000 Europe」〔毎年、急成長中のヨーロッパ企業上位5000社を発表〕にランク入りする100社以上のハイテクベンチャー企業(とくに、デジタルと運輸の分野)の本社がある。イーロン・マスク〔テスラ、スペースXなどの創業者〕は、自身の構想である「ハイパーループ」〔真空チューブ鉄道〕技術でブラチスラヴァとウィーンの間を結ぶ計画を練っている。
グーグルとウーバー・テクノロジーズは2018年、ヴィリニュスに事務所を開設した。クラクフには、IBM、UBS〔スイス最大の銀行〕、キャップジェミニ〔ITコンサルタント企業〕などの世界的な大企業が拠点を置き、業績を伸ばしている。
また、ヨーロッパで最も経済成長が著しい都市の一つであるルーマニアの首都ブカレストにも、世界のハイテク企業が集まっている。外国語が堪能な大卒以上の若者が多く、不動産賃料はベルリン、ロンドン、パリの半額だ。
そして2017年、フィットネスアプリ用のセンサー付き端末をつくるアメリカ企業、フィットビット(Fitbit)は、高級スマートウォッチメーカーであるルーマニア企業、ヴェクター・ウォッチ(Vector Watch)を買収した。