目覚め始めた米国世論
このような米巨大SNS企業による検閲まがいの対応や、リベラル系反トランプ派メディアによる情報隠蔽工作はもはや尋常ではない域にあるが、それに対して多くの批判が保守系のみならず、一部リベラル派からも挙がりつつある。
例えばスティーブ・スカリス下院議員(共和党)などは、かつてトランプ攻撃のために、元英国情報部員が作成したロシア疑惑関連のインチキな怪文書を流し続けたマスコミ人らについて、「彼らは今、バイデンのスキャンダルをわれわれに見せないようにするために残業している。完全なダブルスタンダードだ」と述べている。
また、イギリスのテレビ番組の共同ホストを務め、みずからをリベラル派と自認するピアーズ・モーガン氏は、FOXテレビの番組インタビューで、今の左派運動の中には明らかに何らかの「陰謀」があり、報道の多くには明らかに嘘があるとした上で、「事件がネタにならないのはどんな時だろうか? それは、TwitterとFacebookがそう決めた時だ」とまで述べている。
こんなトランプ大統領の再選阻止のために検閲までする大手SNS企業や、フェイクニュースを拡散する偏向メディアの背後には、引き続き巨額の軍事費を使った米国による世界覇権を維持し、多国籍企業の利益を最大にしたいと考えるエスタブリッシュメント層(グローバリスト)がいる。彼らは今、そんな覇権などさっさと放棄して米国人にこれ以上無駄な血を流させず、余った金は米国自身を豊かにするために使うべきだとするトランプ派(反グローバリスト)から権力を取り戻そうとしているのだ。
かつて米国政治や世論を思いのままに動かしてきたエスタブリッシュメント層が、SNS検閲やメディアの隠蔽工作などを通じてここまで露骨に世論操作をやろうとするのは、それだけ多くの米国民が、大手メディアの偏向報道や嘘に気づき始め、かつトランプ氏のやり方に共感を覚え始めたことに対する強い焦りの裏返しであるのだろう。そしてそんな米国民の傾向は、今回の大統領選挙の結果のいかんにかかわらず、今後も拡大していくに違いない。