頻出単元の苦手克服が最優先

学習の絞り込みについては、本番で出題されそうなもののうち、現在解けない問題に特化することが重要だという。

「まず、過去問題集で頻出単元をチェックし、なかなか点数が稼げなかった単元が最優先です。次に、模試の結果や塾のテストで正答率が低かったりした箇所を集中的に解いていくことで、得点力につなげましょう」

解けない問題であっても、合否に関係のない問題には時間を割く必要がないそうだ。「正答率が極端に低く、どの子も手が出ないような、いわゆる“捨て問”に時間を使うのは、費用対効果が悪い。どの問題が捨て問にあたるのかは、塾の先生などプロの意見を参考にするとよいでしょう」

不正解の解き直しは、本人に解説させよう

学習プロセスの効率化については、問題を解いた後の対応が重要になる。「問題を解いて不正解だった場合、解答をノートに写し直して終わりにしている子が意外と多い。これでは学力は伸びません」

雑に問題を解くのではなく、一問一問確実に点を取れるように仕上げることを意識すべきだと繁田氏は強調する。

「問題を解き、解説を読んで理解する。ここまででは不十分です。子供は解説を読んで納得しているつもりでも、再度解いて解答を再現できるレベルまで理解できているかは怪しいことが多い。インプットだけでなく、アウトプットも行い、しっかり理解しているか、次に出題されたときに自力で解けるレベルになっているかを確認しましょう」

具体的な方法としては、ノートやホワイトボードを渡し、「どうやって解いたかを教えて」と言って再現させる方法が有効だそうだ。

ホワイトボードを使用しています
写真=iStock.com/recep-bg
※写真はイメージです

「理解が定着しているかは、子供自身に説明させればわかります。解説の内容を子供が自分の言葉で説明できていれOKです。単に問題を再度解かせるだけでは、式の丸暗記で乗り切ってしまう可能性があります。ただ、他人に説明をするとなると、ごまかしが利きません」

無事定着したのを確認し、さらに時間をおいて、再度解き直しをさせることで本番まで続く記憶になるという。

「効率的に記憶を定着させるには、間隔を少しずつ広げながら復習するのがおすすめです。1週間以内に1回、1カ月後にもう1回というのが、この時期の基本パターンです。本番までにいつ、何回復習するか意識して学習計画を立てましょう」